不倫相手が、慰謝料の請求をした配偶者に対して慰謝料の支払いをした場合、その支払った慰謝料のうちの一部を支払うよう求めてくることがあります。
不倫相手から求償を求められているにもかかわらず、これを無視し続けると、取り返しの付かない事態になるおそれがあります。
求償権を行使されたのであれば、早期に弁護士に相談をして、不倫相手の求償内容を精査することが重要です。
求償の内容を精査するべき
このページの目次
求償とは何か?
共同の不法行為
配偶者以外の異性と性行為に及ぶ行為は、夫婦関係を破綻させる共同の不法行為です。
そのため、不貞行為を行った配偶者とその不貞相手は、他方の配偶者に対して、連帯して慰謝料等の損害賠償を支払う義務を負います。
ただ、慰謝料の二重取りはできません。
そのため、不貞関係にある男女のうち一方が慰謝料を支払えば、もう一方は不貞相手の配偶者に対する支払義務から免れます。
求償を求めることができる
不貞行為は共同の不法行為です。
そのため、不貞行為を行った男女のうち1人が慰謝料全額を支払った場合、その1人がその慰謝料全額を被る必要はありません。
他方に対して、支払った慰謝料のうちの何割(通常は5:5)かを支払うよう求めることができます。
これを求償権の行使といいます。
求償の内容
支払った内容が適正か
慰謝料の支払った不貞相手から求償を求められた場合、その求償の内容を精査しなければなりません。
求償権の行使は、不貞相手が慰謝料を支払った後に行われます。
つまり、求償をされる側は、慰謝料請求をした配偶者と不貞相手との間で行われた合意手続に関与する機会を与えられていません。
そのため、配偶者と不貞相手の間で合意された慰謝料額が、不貞行為の内容やこれによって生じた結果を踏まえて適切な金額といえるのかをしっかりと精査しなければなりません。
具体的な事情を踏まえ、不貞相手の支払った慰謝料額が適正額よりも高額であれば、その慰謝料額をベースとした求償に応じる必要はありません。
求償を放棄しているかも
不貞相手が慰謝料を支払う際に、求償権を行使しないことを約束しているケースもあります。
慰謝料を請求した配偶者と不貞相手が、求償を行使しないことを前提として、慰謝料額を合意している場合には、不貞相手による求償権の行使が制限される可能性があります。
そのため、求償権の行使を受けた場合には、不貞相手と配偶者との間で作成された合意書を見せてもらうようにします。
負担割合は?
当事者間の不倫慰謝料の負担割合は5:5とされることが多いでしょう。
しかし、必ず5:5となるわけではありません。
そもそも、慰謝料を求める配偶者に対して、その配偶者は貞操義務という法律上の義務を負いますが、その不貞相手は、慰謝料を求める配偶者に対して、このような貞操義務を負っていません。
そのため、配偶者の責任は一次的なものですが、不貞相手の責任は副次的なものと言われることもあります。
さらには、不貞の当事者の関係が上司と部下の関係であったり、一方が主導して不貞行為に及んでいるような場合には、対等な関係とは言い切れません。
このような不貞の当事者の立場や役割に応じて負担割合が修正される場合もあります。
放置するとどうなるのか?
不貞相手の求償権の行使を無視することは控えるべきです。
不貞相手は、配偶者からの求めに応じて、決して安くはない慰謝料額の負担を強いられています。
そのため、求償権の行使を無視したところで、易々と引き下がることは、あまり考えられません。
まず、求償を求める内容証明郵便が送られてきます。
受領を拒否したり、受領しても応答しなければ、求償を求める訴訟を提起してくる可能性があります。
訴訟提起後も何らの対応をすることもなく、漫然と放置すると、知らない間に不貞相手の請求を全て認める判決が出されてしまいます。
認容判決に対して控訴をすることもなければ、この判決は確定します。
判決が確定すれば、この判決に基づき給与や預金口座の差押えを受けるおそれがあります。
弁護士に依頼するべき
以上のように、求償の内容や負担割合に係る主張や証拠の提出をすることで、不貞相手が求める求償の全部又は大部分を排除できるかもしれません。
しかし、弁護士に依頼することなく、漫然と放置すると、このような主張・立証を十分に行うことなく、極めた不利な負担を強いられるおそれがあります。
このような事態を避けるためにも、早い時期に弁護士に依頼するべきです。
まずは弁護士に相談することを強く推奨します。
弁護士に依頼するメリット
- 求償内容を精査できる
- 負担割合に関する主張を適切にできる
- 求償の手続に適切に対応できる
- 有利な条件について教えてもらえる
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