配偶者の不倫を知った後、不倫をした配偶者や不倫相手に対して慰謝料請求することを決めた場合、将来訴訟になることも見据えながら、計画的にプロセスを進めていくことが必要です。
無計画で拙速に進めると、不貞行為の証拠や不貞相手の情報を収集し損ねたりします。
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まずは証拠の確保
不倫の兆候を察知したところ、不貞行為の証拠が不十分ではない中で、不倫をした配偶者等に対して、勇み足で慰謝料請求をしてしまうと、不貞行為の証拠を消されてしまい、不倫の証拠を散逸させてしまうかもしれません。
そこで、不貞配偶者や不貞相手に対して慰謝料請求をすると決めた場合には、まずは不倫の証拠収集を水面下で行いましょう。
さまざまな方法を用いても不貞行為の証拠を十分に掴めない場合には、不倫をした配偶者を問い質して、不貞行為の具体的な内容を聞き出すしかありません。
その場合には、夫婦のやり取りを必ず録音しておきましょう。
探偵社の調査費用
不貞行為の証拠を掴むための手段として、探偵社に対して調査依頼をすることがあります。
当然、この調査依頼は無償ではなく有償です。
この調査費用は、追跡時間や人数に応じて算定されますが、20万円程から100万円を超えることもあります。
しかし、調査費用の全てが、不貞行為の損害賠償として回収できることはほとんどありません。
そのため、調査依頼をする場合においても高額な費用負担とならないよう注意が必要です。
内容証明を発送する
不貞慰謝料の請求をする場合には、内容証明郵便で行うべきです。
内容証明郵便とは、誰が誰に対して、どのような内容の郵便を送付したのかを郵便局が証明する特殊な郵便方法です。
内容証明郵便を利用することで、慰謝料請求の内容を事後的に証明することができます。
内容証明のメリット
内容証明郵便を利用することで、これを受け取った不貞相手や不貞配偶者に対して、強い心理的なプレッシャーを与えることができます。
また、特殊な方法である内容証明郵便を用いることで、裁判も辞さないという配偶者の本気度を伝えることもできます。
特に、本人名ではなく、代理人弁護士の名前で内容証明を送ることで、より一層強い効果を期待できます。
さらには、弁護士名の通知書を受け取ることで、たとえ証拠が十分ではなかったとしても、不貞行為の存在を自認してくることもあります。
内容証明のメリット
- 事後の証明に役立つ
- 心理的なプレッシャー
- 本気度を伝える
- 不貞行為の自認を促す
手紙やメールは控えるべき
たしかに、不貞行為の慰謝料請求をする方法に決まりはありません。
請求の具体的な内容が伝わるのであれば、口頭でもメールでも構いません。
ただ、口頭の場合、事後的に言った言わないの水掛論となってしまいます。
また、メールやLINEメッセージの場合、慰謝料請求の本気度が伝わらなかったり、請求の趣旨を伝えきれない可能性があります。
交渉を進める
不貞行為を認める場合
内容証明の送付後、これを受け取った不貞配偶者や不貞相手から不貞行為を認める回答がある場合、請求額やその支払方法が交渉の中心となります。
不貞行為の証拠が十分あり、弁護士名で内容証明を送付している場合、不貞行為の存在を否定してくるケースは案外少ないです。
弁護士を代理人に就けている事案では、早い段階で不貞行為を認めて謝罪をした上で、金額交渉に入り、早期解決を図ろうとすることが多いです。
不貞行為を積極的に認めるわけではないものの、請求額等の条件について交渉を求めてくるケースもあります。
不貞行為を否定する場合
内容証明の送付後、これを受け取った不貞配偶者や不貞相手から不貞行為を明確に否認する回答を受ける場合があります。
この場合、手元にある不貞行為の客観的証拠を提示した上で翻意を促します。
それでも、不貞行為を否認し続ける場合には、訴訟提起の準備をします。
合意書の作成
不貞相手や不貞配偶者との間で、慰謝料の金額や支払方法等について合意ができれば、合意書を作成します。
公正証書の作成ができる場合には、合意書を公正証書にしておきます。
特に、慰謝料を分割して支払われる場合に公正証書にしておくことで、訴訟手続を経ることなく差押えなどの強制執行に着手することができます。
訴訟提起
相手方との交渉が奏功しない場合には、訴訟提起せざるを得ません。
訴訟提起にあたっては、訴状、証拠、証拠説明書といった書類を作なければなりません。
訴訟提起後には、相手方から提出された答弁書や準備書面に対する反論やこれを裏付ける書証の提出をしなければなりません。
これら訴訟関係の書類の作成には、極めて専門的な知識・経験を要します。
弁護士に相談するべき
不倫慰謝料の請求方法にはいろいろなパターンがあります。
ただ、早い段階から弁護士を代理人として就けることで早期の解決を見込むことができます。
また、証拠の散逸を防いで、確実にプロセスを進めることも可能です。
弁護士に委任するメリット
- 証拠の計画的に収集できる
- 相手方に心理的な負担を与えて早期解決を図る
- 合意書の作成により確実に慰謝料を回収する
- 慰謝料以外の事項について相談できる
- 自身に有利な条件について教えてもらえる
まずは、弁護士に相談した上で、計画的に進めていきましょう。
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