不貞行為の結果、不倫相手の女性が妊娠してしまった場合、単純な不貞行為の事案とは異なり、様々な法律問題を生じさせます。
権利関係が複雑化するため、法的な知識や経験を踏まえた適切な対応が求められます。
1人で抱えずに、経験豊富な弁護士に委任をすることで適切に進めていくべきでしょう。
このページの目次
配偶者に対する慰謝料額の増額
まず、配偶者との問題です。
不貞行為を行った配偶者は、もう一方の配偶者に対して慰謝料を支払う義務を負います。
この慰謝料の金額を決める要素は、不貞行為の内容と夫婦関係の破綻の有無です。
不貞行為の悪質性×婚姻関係の悪化
不貞行為の内容が悪質であればあるほど、不倫慰謝料の金額は大きくなります。
特に、不貞行為の結果、不倫相手を妊娠させてしまった場合、不倫慰謝料の金額を増額させる事情として考慮されてしまいます。
さらに、妊娠に留まらず、不倫相手が妊娠した子を出産すれば、慰謝料額はより一層高額なものとなります。
認知や養育費の負担
認知を求められる
次に、不倫相手との関係です。
不倫相手が妊娠した子を出産した場合、不倫を行った人は、その子供の認知を求められます。
認知とは、婚姻関係によらずに産まれた子供の父親であること認めることです。
認知には、任意認知(父の意思による認知)と強制認知(判決による認知)があります。
任意認知は出産前でも行うことができます。
不倫相手から任意認知を求められても、これに応じない場合には、認知を求める調停や訴訟の提起を受ける可能性があります。
調停等においては、生物学的な親子関係を確認するため、DNA鑑定を行うことが一般的です。
養育費の負担
認知の結果、父親はその子供を扶養する義務を負います。
扶養義務を負う以上、父親はその子供に対して養育費を支払う義務を負います。
養育費は、父親の収入と母親の収入に応じて計算されます。
成年年齢が20歳から18歳に引き下げられましたが、養育費の終期は従前と同じく20歳までとなります。
母親が就労できるにも関わらず就労せずに収入がゼロである場合には、潜在的な収入として120万円程を計上して養育費を計算します。
他方で、子供が幼くて、働きたくても働けない環境であれば、母親の収入はゼロとして扱われます。
中絶した場合
慰謝料
不貞女性が、不倫の結果、妊娠したものの中絶した場合です。
中絶をしたとしても、直ちに慰謝料を支払う義務を負うわけではありません。
しかし、男性が不倫相手に対して、結婚する意思がないのに、その意思があると述べて性的な関係を持つに至ったような場合、不倫女性の貞操権を侵害するものとして、慰謝料を支払う義務を負う可能性があります。
また、男性が、不倫相手の負担を軽減し、解消させるための行為をすることなく、不誠実な対応を取る場合にも、不倫女性の法的な利益を害するとして、慰謝料の負担を要する可能性があります。
中絶費用
中絶費用について、不倫相手と男性で対等な額で負担します。
ただ、中絶費用は、中絶する時期によって変動します。
例えば、妊娠8〜12週目だと10万円から20万円程の費用がかかります。
13週目から22週目に入ると、入院をした上で精密な検査や経過観察が必要となるため、中絶費用も高額となります。
およそ30万円〜50万円程の費用を要します。
弁護士に相談するべき
不倫相手が妊娠した場合、配偶者の慰謝料請求も、通常よりも苛烈なものとなります。
また、不倫相手との法律問題も複雑なものとなります。
特に、不倫相手が子供を出産する場合には、親子関係の有無を確認するためのDNA鑑定が必要となることもあります。
仮に、子供の認知をするとしても、養育費の金額や条件を慎重に判断しなければなりません。
このような複雑な法律問題を適切に処理するためにも、まずは弁護士に相談することを強く推奨します。
弁護士に依頼するメリット
- 配偶者に対する慰謝料額を減額できる
- 子供の養育費を適切に合意できる
- 不倫相手からの慰謝料額を減額できる
- 有利な条件についてアドバイスをもらえる
初回相談30分を無料で実施しています。
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