突然、内容証明が届いたら

不貞行為や不倫を理由とした慰謝料請求をする場合、多くは内容証明郵便により、あなたの自宅あるいは就業場所に届きます。

不貞行為の慰謝料請求の内容証明郵便は、当然ながら、事前の告知もなく、突然、自宅等に送達されます。

あなたが慰謝料請求の内容証明郵便を受け取った場合、どのような対応が必要か解説します。

内容証明を受け取ったら

  • 冷静に対応する
  • 放置せずに受領すること
  • 受領してからも放置しないこと

冷静に対応すること

内容証明郵便とは

内容証明郵便とは、誰が、どのような内容の郵便を、誰に対して送付したのかを郵便局が証明する特殊な郵便です。

この内容証明郵便は、宛名とされた人以外でも受け取ることができます。

そのため、名宛人とされた人以外の配偶者や家族でも受け取ることができます。

これによって、不貞行為や不倫を行った人にも配偶者がいる場合、いわゆるダブル不倫の場合、その人の配偶者が不貞行為の事実を初めて知るに至るリスクもあります。

焦らずに対応すること

内容証明郵便は、配偶者本人から直接送られてくることもありますが、その配偶者の代理人である弁護士名で送付されることが多いです。

しかも、その送付方法は、内容証明郵便という特殊な郵便方法です。

その上、その内容は、かなり物々しく威圧的なものです。

「貴殿は既婚者である〇〇氏と不貞行為に及び、通知人の夫婦関係を破綻させました、本書を受領されてから7日以内に慰謝料として300万円を支払ってください。」

「万一何らの対応もなければ、法的措置に着手しますので悪しからず〜、、」といった具合です。

このような書面を受け取れば、誰しもが舞い上がってしまいます。

しかし、焦って相手の言われるがままに対応することは禁物です。

請求額は膨らませている 

内容証明に書かれた金額に驚かずに、冷静になり弁護士に相談することが重要です。

不貞行為を理由とした慰謝料請求をする場合、あらかじめ高めの金額を設定して請求するのがほとんどです。

つまり、不貞行為が原因となって、夫婦が離婚しているのか、別居しているのか、別居もしていないのかといった事情によって、裁判所で認定される慰謝料額は上下します。

配偶者の代理人弁護士は、現在の状況やその他の事情を踏まえながら将来の合意額を予想します。

予想した金額にいくらかを加算した金額を請求し、この金額を交渉の出発点とするのです。

そのため、内容証明郵便に記載された「請求額イコール支払うべき金額」というわけではありません。

不貞行為といえるのか

内容証明を見ると、慰謝料の対象となっている行為が不貞行為ではなく、性行為に至らない俗に言う不倫である場合があります。

特に、代理人弁護士ではなく配偶者本人から請求されている場合によく見られます。

慰謝料請求の対象行為が性行為を行う不貞行為ではなく、キスや2人で食事をする程度の行為であれば、慰謝料を支払う必要がない、あるいは、かなり少額に留まります。

しかし、『不倫=悪』というイメージが強いこともあって、ついつい配偶者による請求に応じてしまうケースが多いです。

弁護士に相談すれば、適切な対応が可能ですが、家族や職場に知られるかもしれないという焦りから、解決を急いでしまい、その結果かなり不利な状況になってしまうことがあります。

不貞行為の証拠がない

内容証明の内容を見ると、不貞行為の具体的な内容が記載されていないことがあります。

全ての事案で共通しているわけではありませんが、具体的な内容が記載されていない場合、配偶者が不貞行為を裏付ける証拠を十分に持っていない可能性があります。

しかし、これに気づかずに、配偶者やその代理人弁護士と協議をしてしまい、不貞行為の供述を録音されてしまうことはよくあります。

まずは、届いた内容証明郵便を持参して弁護士に見てもらうことをおすすめします。

支払期限に法的な拘束力はない

内容証明郵便には、慰謝料の金額に加えて、その支払期限が記載されていることがほとんどです。

例えば、本書を受領されてから7日以内にお支払いください、といった具合です。

これを見て、配偶者が指定した期限までに支払わなければ大変な事になると焦ってしまう方がとても多いです。

しかし、この支払期限には法的な拘束力はありません。

慰謝料請求する側が一方的に指定したものにすぎません。

支払期限が記載されていたとしても焦る必要はありません。

最後に

内容証明郵便には、これまで目にしたことのない内容が記載されています。

内容証明を一読して、配偶者やその代理人の意図等を読み解くにはかなりの専門的な知識や経験が必要です。

まずは専門家である弁護士に内容証明郵便を考察してもらうが重要です。

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